【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■制度的な欠陥による経営悪化で、人材流出の懸念が高まる
病院の経営環境が厳しい。病院の窮状については、CBnewsマネジメントでも多く報じられている。例えば、2024年12月18日付の「賞与満額出せない病院が続出 四病協」。
収入の大半を占める保険診療において、診療報酬の点数設定は一律であり、病院個別の事情で変えることはできない。その上、業績悪化がごく少数の病院であれば、その病院の運営の適切さが問われるべきだが、現実は多くの病院が厳しい。つまり、運営の適切さが病院経営の良し悪しにつながっているのではなく、どう努力しても厳しい経営状態から抜け出せない制度的な欠陥が露呈したと考えている。
自分の努力不足で業績が上がらなかったのであれば、賞与が十分得られなくても納得感はあるだろう。しかし、制度的な欠陥により賞与が満額払えないような事態は、職員のモチベーションが大きく低下する。ただでさえ人材確保に苦しんでいる病院が多い中で、モチベーションが低下すれば、働いている病院からの退職はおろか、他産業への流出に至ってしまう可能性も高まるだろう。
■病院経営の鉄則、病床の高稼働維持
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次回配信は1月22日を予定しています
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